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Bulletin of the University of Osaka Prefecture. Ser. B, Agriculture and biology >
Vol.13 >

Please use this identifier to cite or link to this item: http://hdl.handle.net/10466/2911

Title: 作物の種子形成,とくに胚および胚乳の発育に関する基礎研究 : とくに胚培養を中心として
Other Titles: Physiological Studies of Seed Development, Especially Embryonic Growth and Endosperm Development
Authors: 中島, 哲夫
Author's alias: NAKAJIMA, Tetsuo
Issue Date: 31-Mar-1962
Publisher: University of Osaka Prefecture
Citation: Bulletin of the University of Osaka Prefecture. Ser. B, Agriculture and biology. 1962, 13, p.13-48
Abstract: 種子に関係した諸問題の基礎として,種子形成,とくに,胚発育と胚乳の関係について生理学的立場から究明しようとした.究明の手段としては,主として胚の人工培養法を利用した.(1)胚形成(embryonic growth)と発芽(seedling growth)の関係で顕著な差異は,胚形成の過程で幼根の生長が抑制されている点である.このような胚形成中の幼根の生長抑制現象は,胚乳中に存在する物質によって制御されているものであることが明らかとなった.(2)胚乳中に生長素(遊離ならびに前駆物質)が存在することが確認され,また,培養実験などを通じて,上記幼根の生長抑制現象は胚乳中の生長素によるものであると考えられ,また,そのような結果から,生長素は胚発育に,とくに形態形成に重要な意義をもつものと考えられた.(3)幼胚の培養実験ならびに培養胚の組織学的研究によって,胚乳中の細胞分裂促進物質の作用,ならびに,カゼイン加水分解物である程度代用できるような,有機質栄養源が胚の発育に必要であることが明らかとなった.(4)以上の結果から,胚の分化,生長は胚乳中に存在する少くとも3種の物質,すなわち,生長素,細胞分裂促進物質,有機質栄養源に依存していることが明らかとなった.また,いわゆるembryo factorの作用は,少くとも3種の物質の作用の綜合されたものと考えることができた.(5)培養胚ならびに,種間雑種胚について検討した結果両者に共通してみられる現象は,胚の子葉部の異常発育であった.このような異常発育には,生長素,細胞分裂促進物質,有機質栄養源が関係していることが明らかとなり,上記3種の物質の存在だけでなく,物質相互の均衡,あるいは作用する期間なども正常な胚発育には重要な意義をもっていることが推論できた.(6)つぎに上記3種の物質を含む胚乳白身の生長について検討してみた.まずキウリ胚乳の培養法について検討した結果,培養基の滲透圧を適当に保ち,イースト抽出物を加えれば,比較的容易に胚乳の培養を行い得ることが明らかになった.(7)胚乳の培養実験を通じて,胚乳の生長もまた,胚と同様な要因,すなわち,生長素,細胞分裂促進物質,有機質栄養源を必要とすることが明らかとなった.また,胚乳はそのような物質によって,それ自身生長し,かつ胚にそれらを供給して胚の発育を制御しているのであるが,胚乳自身がそれらの物質を生産するのではなく,珠心など胚珠の他の組織を通じて母植物から供給されているものと考えられた.また,培養した胚乳組織の内部形態的観察から,核分裂の異常によって,分裂を継続する細胞と分裂しない細胞ができる.このことが,胚乳組織はカルス状の生長を行うのみで,組織の分化をおこさない原因のように考えられた.(8)以上の諸結果から,胚の発育には,胚乳中の生長素,細胞分裂促進物質ならびに有機質栄養源などが必要であり,また,胚乳内でそれら諸物質が相互に均衡が保たれ,かつ胚発育の段階に応じて消長を示すことによって,正常な胚の形成が行われるものと考えられた.一方,胚乳自身も,同様な諸物質の作用により生長すると思われるが,それ自身が諸物質を生産する能力はなく,母植物から供給されるものと考えられた.(9)このような結果は,実際,幼胚の培養を行う場合,また,種子の発芽,休眠の問題に何らかの関係をもつものと考えられた.
URI: http://hdl.handle.net/10466/2911
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